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2011年11月 3日 (木)

主題 <交わりが深められていくことを願って> 

聖書箇所 ローマ人への手紙 1章  (2011年9月23日)

今日のみことば「というよりも、あなたがたの間にいて、あなたがたと私との互いの信仰によって、ともに励ましを受けたいのです。」(12)

ローマ人への手紙は、使徒パウロが、起原7年頃に、第三次伝道旅行の途中、コリントの町に滞在している間に、ローマ教会を覚えて書き送ったものと言われています。パウロは伝道旅行の最中に、当時の世界の中心とも言われるローマに渡り、福音を伝え、いくらかでも実を結びたいと願っていましたが、まだそれはかなわないでいました(13)。
パウロがローマへ行くことを熱望している理由に、「御霊の賜物をいくらかでも分け与えて、あなたがたを強くしたいから」(11)と言っています。また、その御霊の賜物を分け与えていくことと共に、「互いの信仰によって、ともに励ましをうけたい」(12)と言っています。ここに、パウロはローマ教会の信徒たちに指導的な立場で教え、賜物を与えていくという一方的なものではなく、互いに交わりをもち、分かち合う中で、御霊の賜物を分かち合うことになるということを言っていることに注目したいと思うのです。
御霊の賜物は個人の賜物と言うよりも、教会にあって、神が各自に与えられた賜物であり、それは福音宣教のため、教会の建て上げのために用いられるべきものであることを教えてくれていると思うのです。ですから、逆に言えば、教会における兄弟姉妹の交わりが豊かにされていくと共に、互いの御霊の賜物を認め合い、さらには有益な働きに用いられていき、結果として教会の成長につながっていくということを改めて覚えていきたいと思います。
パウロはコリントの町でまだ会うことのないローマ教会の信徒の方々を覚え、互いに交わりを深めていきたいと願い、それは世界宣教の大きな前進につながると考えていたのではないかと思うのです。
私たちは意外に日本にいて、日本のことばかり、まして今住んでいる町のことで終始していないでしょうか。今年は東日本大震災があって、東北の地にて地道に宣教していた教会の群れがあったこと、そこに今なお震災の復旧、復興と共に、福音宣教と教会の再建のために労しているキリスト者の群れがあることを知り、そこに共に協力していこうという輪がひろげられています。共に交わりを深め、祈り、この時に福音を前進させていけたらと祈ります。