主題 <正義を持って神の時を待つ>
聖書箇所 サムエル記第二 4章 (2012年11月19日)
今日のみことば「まして、この悪者どもが、ひとりの正しい人を、その家の中の、しかも寝床の上で殺したときはなおのこと、今、私は彼の血の責任をおまえたちに問い、この地からおまえたちを除き去らないでおられようか。」(11)
将軍アブネルがヘブロンで死んだという知らせは、彼が王として擁立したサウルの子イシュ・ボシェテをはじめとするサウルの家の者たちに、大きな衝撃を与えた(1)。そのような絶望的な情勢を読み取り、活路を切り開こうとレカブとバアナは、寝室で昼寝をしていたイシュ・ボシェテを殺して首をはね、その首を持って、一晩中歩いてヘブロンのダビデのところにやって来た。彼らはイシュ・ボシェテの首をもってダビデに取り入ろうとしたその行動はまさに自分の利得、名誉のための何物でもなかった。
しかし、ダビデの答えは、彼らからすれば全く意外なものであった。かつて、王冠と腕輪を証拠に、サウル戦死の「良い知らせ」をもたらしたアマレク人に、ダビデは、ほうびではなく死をもたらしたと同じように(1:14~16)、「私は彼の血の責任をおまえたちに問い、この地からおまえたちを除き去らないでおられようか」と言って、彼らを討たせた(11、12)。
ダビデはここでも、王の子に対する謀反には加担していなかったことを明示した。ダビデにとっては、サウルも、イシュ・シェテも、滅ぼすべき敵ではなかった。ダビデは、サウルから始まったイスラエルの王権を、引き継ごうとしていたのである。王座を占めている者を、その座から引きずりおろそうという考えは、ダビデには少しもなかった。ひたすら神の時が来て、神ご自身が彼を王座に着かせてくださると、信じて待ち続けたのである。