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2013年7月 3日 (水)

主題 <系図の始まり>

聖書箇所 歴代誌第一   1章  (2013年 1月26日)

今日のみことば「アダム、セツ、エノシュ」(1)

 歴代誌の著者については記されていないが、伝承ではエズラと言われている。主な内容はサムエル記、列王記の内容に重複するものがあるが、ユダ族、神殿礼拝についての記述が他に比べて集中している特徴があり、このことはイスラエルの民が捕囚から帰還した民が再び神の民であるという自覚と神礼拝の復興を意図して編纂されたという目的があったように思われる。神の民としての回復をめざして記されたとすれば、今日の時代に生きる私たちにとっては歴代誌は神と民として生きることを教えてくれる書と言えよう。
1章から9章までは延々と系図が記されている。アダムから始まり1章ではアブラハムの子孫(29-34)、エサウとエドム(35-54)について記されている。
アダムから始まっている系図で気付くのはカインが省かれているということである。カインの罪の故に省かれているようにも思われるが、神へのささげもの惜しむという神を礼拝するという観点から省かれたようにも感じさせられる。
 また、アブラハム(27)、イスラエル(34)も記されている。これらの人はまさにイスラエルのルーツとなる人たちであるが、こヤコブは、最初、イスラエルとは呼ばれていなかった(創世25:26)。ヤコブがイスラエルと呼ばれるようになったのは、ヤボクの渡しで神と戦って、「あなたの名は、もうヤコブと呼ばれない。イスラエルだ」と言われてからである(創世31:28)。しかし歴代誌の中では、ヤコブについては、ほとんどがイスラエルという名前で呼ばれている。これは、歴代誌を最初に読んだ読者である神の民が、捕囚から解放されて後に、「自分たちは神の民イスラエルである、神の祝福の約束の下にある民である」という恵みの立場を覚えるためであろう。