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2013年1月16日 (水)

主題 <王制を求めた民>

聖書箇所 サムエル記第一 8章  (2012年10月23日)

今日のみことば「主はサムエルに仰せられた。「彼らの言うことを聞き、彼らにひとりの王を立てよ。」そこで、サムエルはイスラエルの人々に、「おのおの自分の町に帰りなさい。」と言った。」(22)
 サムエルが活動した時代は、イスラエルの歴史の中でも特に大きな変化の時代であった。王制という、それまでの神の民のあり方とは大きく違った制度への移行が求められていた。直接の理由づけは、さばきつかさとして任命されていたサムエルの二人の息子たちへの不信任であった(3-5)。エリの二人の息子たちの場合と同様、サムエルの家庭の事情にも、聖書は全く触れていないが、残念なことに、良き信仰者の子弟が、必ずしも良き信仰者にならなかった事例として見る事ができる。
 王制を求める民の声を、サムエルが不快に思ったのは、息子たちへの不信任のためではなく、神を退けて、王を求めたからである。しかし彼は、この問題を自分の感情の赴くままに扱うことをせず、すぐさま主の御前に持ち出して祈った(6)。主のお答えは意外にも「民の声を聞き入れよ」であった(7、9)。神は、民がご自身を退けて、王に拠り頼もうとしていることを承知しつつ、あえて民の要求を受け入れようとされたのである。
 民に属するあらゆる物を徴用する権利が、王にあることを告げられても(11-18)、民は少しも動揺することなく「どうしても、私たちの上には王がいなくてはなりません」と、王の必要性を強行に主張し続けた(19、20)。主は再度サムエルに「彼らの言うことを聞き、彼らにひとりの王を立てよ」と命じられた(22)。民は王による恒久的な秩序と安全を切望したのであろう。主は、その求めを受け入れられ、民を新たな方法で導かれようと備えられた。
 今日の私たちも主にある秩序と導きはどうあるべきかを考えていかなくてはならなだろう。