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2011年12月24日 (土)

主題 <役に立つ者になって>

聖書箇所 ピレモンへの手紙 1章 (2011年12月18日)

今日のみことば「もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、すなわち、愛する兄弟としてです。特に私にとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、肉においても主にあっても、そうではありませんか。」(8)
パウロは獄中にあってオネシモと出会い、パウロに導かれてオネシモは救われました。このオネシモはピレモンの奴隷であったので、かつての主人であるピレモンにオネシモを送り返すにあたってこの手紙を書きました。
ピレモンについて言えば、パウロは4~5節に言われているように、彼を非常に評価し、さらなる教会における交わりが生きて働くものとなるように願い、ピレモンがその働きに大きく参与していくようにと期待を込めていたことが伺えます。おそらく、ピレモンが当時の初期キリスト教会にあって用いられていたとも考えられます。
そのようなピレモンに対して、パウロは信仰に導き、いくらかの借りがあるように言って、オネシモを赦し受け入れるように命じることもできたようですが(8)、当時の奴隷制度に従い、パウロはオネシモに対する対処をゆだねていきます。オネシモが主人のピレモンにどのような損害を与えたかは詳しくはわからないが、パウロはその弁済の準備があることを伝えています(18)。しかし、それ以上に、オネシモが主人のピレモンに有益な者となることを伝えたのでした。
当時の奴隷制度からすれば主人にはむかった奴隷は死罪が適当とされていましたが、そのことから考えればキリストにある交わりはその関係を越えたものとなることを教えています。この手紙の価値は今日の時代においても社会的な価値観以上に、キリストにある交わりの豊かさの重要性を教えているところにあると言えるでしょう。
 私たちは、このキリストにある交わりの豊かさを本当に体験しているでしょうか。時代の価値観、人間観は変わっていきます。しかし、神の視点から見たならば、そこにある永遠のいのちの救いの恵みを頂いた者同士の交わりは、天の御国へと続き、この地にあっては人と人との隔てられた壁となる価値観は一掃され神のみことばに教えられた、新たな価値観に従っての交わりが築き上げられていくことを感動をもって、この交わりの中に生かされていきたいと願います。一人一人は主にあって役に立つ者となっているという人間観をもって交わりを豊かにすることが出来るように祈りましょう。