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2012年4月 2日 (月)

主題 <ユダの罪>

聖書箇所 創世記 38章    (2012年 3月28日)

今日のみことば「ユダはこれを見定めて言った。「あの女は私よりも正しい。私が彼女にわが子シェラを与えなかったことによるものだ。」それで彼は再び彼女を知ろうとはしなかった。」(26)
 ヨセフ物語が始まって、すぐに38章では、ヨセフの兄ユダについてあえて挿入されるように記されている。
 ヨセフの事件以降、ユダは家族から離れてヒラという地に天幕を張って移り住んでいく。そこで、ユダはカナン人のシュアの娘を妻とした。ユダもカナン人との結婚によって神の御心に沿うことをしなかったことが言われている。このことは、やがてさまざまな問題の始まりとなっていく。
 ユダとカナン人シュアの娘との間に、三人の息子たちが与えられるが、そのうちの長男エル、オナンが続けて死んでいく。この死の原因について詳しく知ることができないが、どちらも結婚関係の文脈の中で、「主を怒らせた」(7、10)とあることから日常的に性的に非常に重い罪を犯していたということが伺える。
 ユダ自身も息子の嫁タマルを遊女と勘違いし関係を持ってしまった。子孫を残そうとしたことであったが、タマルはユダをだますことになり、ユダは自分の犯したことを言っときは隠そうとする(20)。最終的には、ユダは自分の犯した罪を認め(26)、タマルはみごもって双子、ペレツとゼラフを生んだ。
 これら一連のユダに関する記述は恥ずべき歴史であると思われるが、聖書は克明に記録している。また、驚くべきは、イエス・キリストの系図の中に、「ペレツ」と「ゼラフ」の名前を見つける。そして、ペレツの子孫が主の祝福を受けていくことになっている(ルツ4:12)。
 恥ずべき歴史の中に主の顧みとあわれみの歴史もあるのである。霊的感覚を失ったと思われるユダであるが、しかし、主はそのような者にも導き続けて下さったという神の恩寵を改めて覚えたい。