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2013年1月16日 (水)

主題 <サウルの死> 

聖書箇所 サムエル記第一 31章 (2012年11月15日)

今日のみことば「こうしてその日、サウルと彼の三人の息子、道具持ち、それにサウルの部下たちはみな、共に死んだ。」(6)

 かつてダビデが、サウルの死について「主は、必ず彼を打たれる。……彼はその生涯の終わりに死ぬか、戦いに下ったときに滅ぼされるかだ」と語ったそのことが実現する日(26:10)、また、霊媒女に呼び出されて現れたサムエルが、サウルとその息子たちが共に戦死し、イスラエルが「ペリシテ人の手に渡される」と語ったその日が、ついにやって来た(28:29)。その日、ギルボア山での戦いは悲惨を極めた。イスラエルの多くの者が倒れ、サウルの三人の息子たちは打ち殺された。ダビデの盟友ヨナタンも、その一人であった。サウルも重傷を負った。彼は敵の手に落ちて、なぶり者にされることを恐れ、道具持ちにとどめをさすように命じた。しかし、彼が恐れて従わないとわかると、サウルは自ら剣の上に倒れて自害した。道具持ちも、その後を追って自害した。
 イスラエル人は、ヨルダン川の東岸の人々でさえ、町々を捨てて逃げ去ったので、「ペリシテ人がやって来て、そこに住んだ」(7)。「彼らはサウルの首を切り、その武具をはぎ取った。」(9)「彼らはサウルの武具をアシュタロテの宮に奉納し、彼の死体をベテ・シャンの城壁にさらした。」(10)
 ヤベシュ・ギルアデの人々は、かつてサウルによってアモン人から救われたことの恩を覚えていた。彼らは、いのちの危険を冒してまで、サウルと息子たちの死体を、ベテ・シャンの城壁から取り降ろして持ち帰り、火で焼いて骨にして柳の本の下に葬り、サウルに対する彼らの変わらない敬愛を表したのである(11-13)。このことは、サウルの悲惨な死の出来事に、いささかでも温もりを添えるものとなった。