主題 <サウルとヨナタンの死を痛むダビデ>
聖書箇所 サムエル記第二 1章 (2012年11月16日)
今日のみことば「彼らは、サウルのため、その子ヨナタンのため、また、主の民のため、イスラエルの家のためにいたみ悲しんで泣き、夕方まで断食した。彼らが剣に倒れたからである。」(12)
ダビデとその部下たちが、ツィケラグに帰還して三日目に、王の陣営から来たという一人の男によって、王とヨナタンの戦死が知らされた(4)。その男の身なりは喪に服しているようであったが、彼には、いち早く王の訃報をダビデに知らせて喜ばせ、ほうびに与かろうという下心があったようである。それは全くの見当違いであった。サウル戦死の報は、ダビデを喜ばせるどころか、むしろひどく悲しませることになった。ダビデとその部下たちは、王とヨナタンのために喪に服し、嘆き悲しみ、夕方まで断食した(12)。絶えず王に追い回され、苦しい日々を過ごして来たダビデであったが、「主に油を注がれた方」である王の死を、喜ぶことはしなかった。ダビデにとって、王の最期について語る男の証言は、聞き流しにできるものではなかった。サムエル記第一、三一章の記録とは異なるが、その男自身が「油注がれた方」を殺したと証言したからである。ダビデは、その男の行為は、神を恐れない不遜な行為だと指摘し、直ちに死刑が執行された(14-16)。ダビデは王とヨナタンを悼む哀歌を唱えた。その中でダビデは、彼らの死がペリシテ人に知らされないようにと歌い、また彼らの死に対する口惜しさを表現している(20、21)。それに続いて、二人の勇士ぶりを巧みに描写している(22-24)。特にヨナタンについて、「あなたの私への愛は女の愛にもまさってすばらしかった」と、常に変わらずに彼を支え続けた同信の友の、真実で犠牲的な愛をたたえている(26)。ダビデは、万感を込めた叫びである「ああ、勇士たちは倒れた」で始めたこの哀歌を、同じ叫びで閉じている(19、25、27)。