主題 <神は荒れた地を野ろばに与えたのだ>
聖書箇所 ヨブ記 39章 (2013年6月10日)
今日のみことば「わたしは荒れた地をそれの家とし、不毛の地をその住みかとした。」(6)
神は直接にヨブの苦しみの意味を語ろうとされていない。38章では自然の現象における神の創造の不思議を、39章では、生き物たちの世界の不思議を取り上げて、ヨブの高慢を打ち砕こうとされている。
その中で、野ろばの存在と生存を与えているのが神だというのである。「だれが野ろばを解き放ったのか。だれが野生のろばの綱をほどいたのか。」(5節)と語る。野ろばは、荒れ地で生きてゆくのだ。不毛の地を神は住み家として与えたのだという。それでは野ろばが不幸そのものではないか。だが野ろばはそこで生きることができるのだ。なぜなら、神が与えたということにほかならないからだという。
野ろばがどうしてこんな荒れ地を神は自分に与えたのか、ともし自分だけを見つめていれば、生きることができなくなるだろう。
しかし、野ろばは何も語っていないが、自分に置かれた場所で、荒野で飛び回っている。そこで歓喜の生活をしているのだ。
ヨブにとっての現在の場は、とても生きられないと絶望するだろうが、それはなぜ、何故と迷いつつ問い続けるからである。自分のむごいと思える状態に涙だけが今の自分にできることか。自分の暗黒な状態を、悲しみに心を奪われ続けているのはよくない。
さてである。今の環境、困難にあなたを置かれたのは神だ。そして野ろばが置かれた世界で喜んで生きているように、荒野のようだが生きてみよ。必ず道は開かれてくるのだ、と。