主題 <信仰によって引き継がれるもの>
聖書箇所 歴代誌第二 13章 (2013年3月 8日)
今日のみことば「しかし、私たちの場合は、主が私たちの神である。私たちはこの方を捨てなかった。また、アロンの子らである祭司たちが主に仕えており、レビ人が仕事をしている。」(10)
列王記においては、アビヤは良い王ではなかったと言われている(I列王15:1-3のアビヤム)。しかし歴代誌には、一時期かもしれないが、彼が信仰者としての姿が記されている。彼の母についても、列王記とは異なる記述がある(2)。ミカヤ(「主のようなものはだれか」の意)や、ウリエル(「神は私の光」の意)という名を持つ親族がいたことは、彼が、敬虔な信仰を持っている家系の中にいたことを示唆している。南のアビヤと、北のヤロブアムとに争いがあり、南王国にとっては不利な戦いであった(3)。戦いを始める前に、アビヤは北王国の者に向かって、兵力が少ないことなど気にかけずに戦い、勝利を確信するという大胆な宣言をしている(12等)。アビヤは、北王国側の、ダビデ王朝に与えられたとこしえの契約の軽視や(5)、その結果としての偶像礼拝や(8)、祭司たちの追放を非難した(9)。また、南ユダは神を第一とすることで一貫していると主張した(10)。主はこのような民と共におられるのだからと、南ユダの勝利を確信し、北イスラエルに戦いをやめるよう勧めた(12)。
実際、南ユダは勝利した。アビヤは、信仰のゆえに勝利し、豊かにされたように見える(21)。歴代誌と列王記の双方を合わせ見れば、アビヤの豊かさの要因は、信仰という一点に尽きる。総じて言えば、彼は良くない王であったかもしれない。しかし、彼もまた神の契約の恵みを受け継いで伝える、南王国の担い手の一人だった。王自身の人格によるというよりも、神が与えられた信仰のゆえに、南王国の歴史は引き継がれていった。